「入れなかった」というか、正確にいうと「条件が色々ついてしまうので入らなかった」なのですが。
わたしは産前までほとんど保険に入っていませんでした。妊娠して、子どもとの暮らしをイメージし始めてからようやく保険が必要なのではと思い始め、ほけんの窓口に通い倒し、夫だけではなくわたしにも生命保険をかけることに決めました。
それで。
同じタイミングで医療保険にも入ることにしていたので、まずは医療保険の申し込みをしました。この時すでに28週、妊娠8ヶ月。妊婦健診で指摘事項が一切なかったので、何の条件もつきませんでした。しかも今回の出産時の帝王切開も保障対象になるというありがたさ。やった。
で、次にほけんの窓口に行く2週間後に、生命保険の方の契約をすることになったんですが。
契約日の4日前のことでした。近所のホテルのモーニングビュッフェがとてもおいしいので、産後はなかなか行けないだろうしお互いに仕事の山を超えたので、ご褒美に行こうよ!ということに。
それはそれは、もう最高でした。繊細な味付けの和食たち、ほかほかごはん、贅沢なお味噌汁。やたら大きなベーコンにオムレツに20種類近くあるパン。カレーとナンもあったし、小籠包やらエビチリも。オリジナルのミックスジュースまであって、もう何度も何度もごちそうを取りに行きました。特にふわふわフレンチトーストは大のお気に入りで、3個ぺろっといただきました。幸せ。もう食べられない〜!と思えるまでお腹いっぱい食べました。ああ最高。
ここまで食べまくったのは単純においしかったというのはもちろんですが、もうひとつ思惑がありました。ここ3日ほど便秘だったのです。しかも前日の夜は、すごい便意を催したにも関わらず一向に出てきてくれなくて出すのを断念していました。なのでここでたくさん食べれば、物理的に重さがかかって押し出されるのでは…という算段です。
そして、ちょうど食べ終わって帰ろうかとなった頃。念願かなって、便意がやってきました。しかも結構激しめに。
よしよしよし、これで便秘もおさらばや!と、夫をロビーに待たせて意気揚々とお手洗いに向かいます。勝った。そう思いました。
……出ない。どうしても出ない。昨晩つかえていた分がやはり出口付近でとどまっています。圧倒的な重みがかかっているにもかかわらず、まるで意に介さずのご様子。それでいて便意だけは昨日にも増して激しく、だんだん変な汗が額ににじんできました。おかしいな。なんでこんなに出ないんだろう。
戦うこと30分。出ません。一旦気分を変えようと、お手洗いを出て夫のもとへ。夫はフッカフカのソファで居眠りをしていました。近寄ったら起きたので話そうとしたら。あれっ、出る。出そう。やばい。夫には「ごめん」とだけ言って急いでお手洗いに引き返しました。今度こそ出るぞ。長い戦いだった、これでようやく勝てる。
…………出ない。相変わらず、先頭打者が頑として動きません。君らが出塁してくれないと話にならんのだが。結局事態はさっきと変わらずの膠着状態です。ここはネットの知恵を拝借しようと、トイレに座りながら「便秘 出ない」「便 出したい 今」などとひたすら出し方を検索するものの「日頃からの水分と食物繊維の摂取が大事です」としか出てこず、あああその情報は今じゃないんだあああと心の中で発狂しながら便意と戦うこと20分。
もう帰ろう。家に帰ろう。家ならこちらが有利になる。そう判断してお手洗いを脱出、夫のところに急いで行って「そこの薬局で浣腸買って帰ってきて!!わたしは先に帰るから!!!」と早口で言い残し、早歩きで急いで家へと向かいました。夫に浣腸を頼むなんでできればしたくなかったよ。。。夫、ポカンとしてました。。。。でも背に腹は変えられません。家までは歩いて10分。ずんずん歩いていくほどに、縦の振動で便意が増していきます。頭がおかしくなってきて、なんかもういっそここで漏れてしまった方が楽なのかもとさえ思いました。でも何とかこらえて、無事到着。人間の尊厳を守れました。
家のトイレ、圧倒的ホーム感(家だけに)。夏で暑くて汗もすごかったので、下着だけになってトイレに立てこもりました。立ったり座ったり、オイルを塗ったり、お尻をいろんな向きから押してみたり。あらゆる試行錯誤をすること15分。
ぽちゃん。ようやく先頭打者、出塁!そこからは話が早くて、信じられないくらいの量が一斉に出てきました。間違いなく32年の人生で一番多かった。謎の達成感と、疲れと、おしりの痛みを感じながらトイレの外に出て、1時間以上かかった戦いは幕を下ろしました。
(ちなみに夫が全然帰ってこないからLINEしたら、薬局で薬剤師さんに「妊婦さんに浣腸は勧められない」という話をされて困っていたところでした。結局買えず。買ってても出番なしだったので結果オーライですが。)
はあ〜よかった、めでたしめでたしと思ったのもつかの間。おしりが痛いのが気になって、お風呂場で洗おうとしたところ、おまたが腫れているではありませんか。。。こちとら妊娠後期、さっきの戦いで何かバイキンでも入った?!?!とめちゃくちゃ心配になって、やむなくお世話になっている産院に電話をかけました。
ことの顛末を助産師さんに話したら「あのね、この週数でそんなに長時間トイレできばったら最悪産まれるからね??もうしないでね!」と言われて初めて、危ないことをしてしまったと実感して急に心配になってきました。「気になるだろうし一回おいで」と言われたので病院へ。急な受診で申し訳なかったですが問題ないことを確認でき安心しました。お股が腫れるのは、きばるとありがちらしいです。便秘が諸悪の根源だということで便秘のお薬を出してもらいました。
便秘のお薬を、出してもらってしまいました。。。。
これが、生命保険に入れなくなった理由です。便秘騒動の4日後、生命保険の契約をする時の告知事項に「直近○ヶ月以内に治療を受けましたか」みたいな項目があって、そこに薬の処方が引っかかってしまうなと思い、プランナーさんに軽い気持ちで「そういえばつい数日前に便秘のお薬出してもらったんですよねえ、便秘なら別にいいですよね?」と伝えたところ。今まで楽しく話してたプランナーさんの表情が一瞬にしてサッと変わり、ちょっと確認しますねと。
なにやら症状と契約可否の目安が列挙された冊子を持ってきて、便秘、便秘と探してくれました。いわく、便秘も大腸系の病気が隠されていることがあるのであなどれないのだと。そして便秘の欄が出てきたので見てみると…生命保険△、医療保険不可。△なので条件がついてしまうかも、でも妊婦さんの便秘ってよくある症状だから事情を汲んでくれるかも?ということで、備考欄にその旨を書き添えてもらいダメもとで申請しました。で、やっぱり条件がついてしまったというわけです。しかも健康優良体(タバコ吸わない・BMI値が健康などの条件をクリアしている人)でお安くなる見込みだったのも外されてしまい、月々の掛金も値上がりしてしまいました。
プランナーさんから、これで契約するのもアリだけれど、産後数ヶ月経って便秘が解消された状態で申し込めば条件はつかなくなる。とはいえその時に告知事項がない体かどうかはわからない。どうする?と言われ、じゃあ産後に申し込みし直しますということになりました。
いや〜〜保険って、いつでも入れると思っていました。でもそうじゃないですね。まさか便秘で保険を見送ることになるなんて夢にも思いませんでした。今回は妊娠に伴う便秘で産後に治るとわかっているからよかったものの、保険ってこんな感じで本当にちょっとのタイミングのずれで入れなかったり、入れたとしても条件がついてしまったりするんですね。
保険、入るなら早いうちに。まじで。検討するのも時間がかかるし、いつ健康状態が変わるかわからないので、入っておくべきか迷っているなら今すぐにでも資料請求するなり相談するなりした方がいいと思います。ほんとうに。よろしくおねがいします。